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太宰府と、国博と、若冲と。 |
九州国立博物館さんの「ぶろぐるぽ」という企画に参加してみました。 |
九州国立博物館で「若冲と江戸絵画」展をやっているので太宰府方面へ出掛けて参りました。 いつものように、西鉄電車で二日市駅まで行って、そこから太宰府線に乗り換え。程なく太宰府駅に到着。 駅から出て参道に向かえば、昔から変わらない太宰府の景色。変わったことといえば、国立博物館が出来てから観光客が大幅に増えた事くらいでしょうか。 博物館に行く前に、天神さまにお参り。本殿傍にある「飛梅」は、つぼみが濃いピンクになっていました。もうすぐ開花かな。 さて、いよいよ博物館方面へ!エスカレーターをのぼり、動く歩道を通り抜けると見えてくるのが、不思議な曲線を描いた巨大タイムマシン。これこそが、九州国立博物館です。 エントランスホールでは「クルマの歴史と未来展」が開催中。ちょっと寄ってみましょうか。 | ||||
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クルマの方は切り上げて、そろそろ特設展示室へと行きましょうか。 入口で年間パスポートを見せ、音声ガイドをレンタル。どうも私は利き耳が左のようなので、左ヘッドフォンで。以前の両耳の方が断然聴き取り易かったんですけどねぇ。 ところで展示室は撮影禁止。なので写真は無し…ではなく、博物館さんより写真をお借りしております。というわけでこれ以下は私が見た時そのものの写真ではありませんがご了承下さいませ。 | ||||
展示室に入って感じたのがまず「人が多い」ということ。今日は木曜日、平日ど真ん中なのにこの人の多さはなんでしょう。展示ケースの前には人だかりが出来、遠くから作品の全体像を眺める…なんて事がやりづらい。平日でもこうなのに、休日ではどうなることやら。 …いやまぁ上の写真は人ひとり写っていませんが。 今回の展示から、私が特に面白いな、と思った作品をピックアップしてみます。 | ||||
まずは伊藤若冲の「鳥獣花木図屏風」。これは「紫陽花双鶏図」とともに展覧会広告で使われているので、見覚えのある人も多いでしょう。この絵を見る、というのが今回の展示に行った第一の理由だったりします。 画面全体を1隻当り4万3千個(1双では8万6千個)の細かい升目に区切った…というこの絵を肉眼で見ると、実は単純に升目を塗り潰しているのでは無く、一つの升目の中に更に小さな正方形の色面があることが分かります。 描き方は一様では無く、ある部分は色の境が升目に沿ってデジタルに分かれ、またある部分はあえて格子を無視して線が引かれている。地の色と中の正方形の色を変えて行くことによってグラデーションを付けてみたり、地の色と中の正方形の色合いは同じだけれども、中の正方形の大きさを少しずつ変えることによってまた違うグラデーション効果を表してみたり…。 この絵を見ると所謂「ドット絵」を思い出すのですが、コンピュータも無い時代に何故このような描法を思い付いたのか。一説には西陣織の図案から発想したともいわれているそうです。 そういえばコンピュータと織物というと、初期のコンピュータの記録媒体に使われた「パンチカード」って、機械織の糸を操作する紋紙から来てるんですよね…。ある意味由来が同じだから、関連を感じるのも当然なのかもしれません。 | ||||
次は同じく伊藤若冲の「鶏図」。何故だか琴線に引っ掛かった絵です。 あまり時間をかけずに筆でさらさらと描いてあるのでしょうけど、雑では無く、思いきった筆跡が気持ちよい。尾羽根のクルッとなったトコなんかイイですよね。 この絵、描くのは比較的時間がかかって無さそうですけど、構図が良いと思いません?実は下絵をいくつも描いた上での計算された構図なのか、それとも一発でこういう風に描けちゃう「天才」だったのか…などといろいろ想像しちゃいます。 若冲は自宅の庭に鶏を飼っていたそうで、多くの鶏の絵を残しているそうです。「紫陽花双鶏図」のような緻密な絵から、こんなシンプルに無駄の無い絵までいろいろあるんでしょうね。 |
著 者 紹 介 | D.Na - でぃ・えぬえい 当サイト「九州電波通」の管理人。 好きなお菓子は梅ヶ枝餅と筑紫もち。 |
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