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西暦2000年10月7日、福岡ダイエーホークスV2 文・D.Na
 これは、西暦2000年10月7日、幸運にも福岡ドームにて、ダイエーホークスの優勝決定戦戦を見ることの出来たD.Naによる記録である。
 その日に福岡ドームに行くことが出来たのはとんでもなく「偶然」としか言い様が無いものであった。
 9月頭、やはりダイエーホークス戦を観戦に家族で行った時、駐車場入り口で「CarSensor」誌提供のステッカーを配付していた。そこで「89 OH」のステッカーを貰ったのだが、その裏を見ると「この王監督ステッカーを送ると、スーパーボックス(福岡ドームにある、外野でも内野でも無い非常に高級な席、普通ではとても値段が高すぎて行くことなど出来ない)が当たる」との旨。その時は「ダメ元」で応募した。
 そして…9月下旬、何と当っていたのである!なんたる幸運。日付は、10月7日。家族の中では「この頃はもう既に優勝が決まっているだろう」という説が濃厚であった。
 ところが…、西武戦に負け、ビジターでのロッテ戦でもホークスは負け続けた。そして──ホークスは優勝が決まらないまま、10月7日の対オリックス戦を迎えることとなったのだ。

 10月7日、私達家族は車にて福岡ドームにやって来た。スーパーボックスには専用の駐車場が割り当てられていて、満車などを気にせずに済む。…が、駐車場入り口前に車の列。どうやら満車の為係員がパイロンで入り口を塞いでいるようだ。よく分からないまま、ダッシュボード上に「SUPER BOX 駐車券」を置いて入り口に向かった所…、さっとパイロンをどけ、丁重に案内された!「うわっ、まるで水戸黄門の印篭や!印篭や!」と騒ぐ家族一同。…普段はこういうモノに縁の無い一般人であった…(笑)。
 で、車を止めてゲートのある3階部分(といってもここは屋根の無い屋外部分)にエスカレーターで昇る。そして、最初に目に入ったものは…「2ゲート 列最後尾」。…ちょっと待て。ここって2ゲートから球場を180度廻った反対側じゃないか!?つまり、2ゲートの列はそこまで長くなっていたのだ。ところでこの「2ゲート」は私達が普段利用する「外野自由席ファンクラブ専用入口」。…つくづくこの日にチケットが当ったことを幸運に思う。
 じつは開場までかなり時間がある(早く来てしまったのは貧乏性の一般人のせい)。そこで、近くのRKB毎日放送で開催されている「開局50周年記念・RKBラジオまつり『デジタルパラダイス』」というイベントにいって時間を過ごした。話が横道にそれるため簡潔に話すが、普段見ることの出来ない放送局の裏舞台を垣間見ることが出来てなかなか面白かった。
 午後4時、開場の時間。私達はスーパーボックス専用ゲートに行った。ここでもやたら丁寧な対応を受け、エレベーターで6階へ。エレベーターが開くとやっぱり丁重な対応を受け、そこで見たものは…、まるでホテルのように区分された部屋!で、部屋の中は…、でかいソファー!テーブル!テレビ!…っていうかこれにベッドと洗面所ついたらまるっきりホテルやないか!で、やっぱりホテルみたいに部屋の説明がなされた。……………貧乏性の人には向かないやここ。バルコニーに出てみると、いつもとは全く違った角度からのグラウンドの景色。ちょうどライト側ファウルポールからちょっと内野側であった。
 しばしゆっくりと過ごす。料理は備え付けのメニューからインターホンで注文するように(このあたりもホテル方式)なっているのだが高い。しかも量が少ない。しかもここは外からの持ち込みは禁止されている。…カラオケ方式に金を捲き上げる方式と見えた。…なぜ福岡ドームにはこの様な座席(というか部屋)が用意してあるのだろう。それを考察してみるに、この建物の計画・設計がバブル期であるからだと思われる。こういう部屋を造り、接待などに利用しようと考えられたのではないか。…思えば福岡ドームを含めた「シーサイドももち」計画そのものがバブルの所産と言える。ところがバブルの崩壊により計画は大幅に縮小され、当初2つもドームを造るはずだった(株)ツインドームシティはいつのまにか(株)福岡ドームと名前を変え、本来もう一つのドームを造るべき場所には安っぽい複合型商業施設が出来ることとなった。
 そのうちに母の友人の家族が到着し(8人部屋なので招待した)、試合開始となった。

 …ホークスファンの応援とはこんなにも凄いものであったのか。バルコニーから見てそう感じた。いつもならばそこにいるはずの外野席。そこからメガホンを叩く音、歓声が物凄い音量で響いてくる。今日が優勝が決定するかもしれない試合ということを差し引いても、あんなに熱心な応援をするホークスファンは凄い、と思う。
 が、私達が今見ている席は応援団の号令から遠く、周りはあまり盛り上がっていないため(といってもいつもは外野に居る人間の感覚としての話)、…………「うを〜外野で応援したい〜」となる。そこでコンコース内に行くことにした。スーパーボックスを出てコンコース内に入るのだが、コンコース内と外野自由席の間には切符を見る係が居ない。一番安い席のためわざわざ他の券を持ってそこに入る人は居ないだろうと考えているらしい。…ここに居るんだが(笑)。っていうか、折角豪華な所でゆっくり観戦できるというのに、わざわざ快適でない所まで行ってでも応援参加したいと考える私達は、やはりなのだろうか…。
 太鼓の音。ちょっと音の外れ気味なラッパの音。応援団員による号令。………これぞ野球観戦!とうことで母との二人で外野にやってきた。…が、やたら人が多い。福岡ドームでは普段でも時々「満員御礼」となるのだが、それよりも多い。何故だ。まさかいつもより多めに発売してるとでもいうのだろうか。しかもここはレフト側だ。通路や階段にも人がわらわらと居る。ビールなどの物売りも普段通りの商売は出来ないようだ。そうか、客が多すぎると逆に商売上がったりになるんだ…。
 いかん、これでは流石に私達も疲れてしまう。といことで一旦スーパーボックスに帰ることとした。その時ついでに買った「ルミカライト」(パキッと折ると光り出すアレ)。買ってから気がついたのだが、バッジが付属していてそこに「2000.10.7」の文字が…。これが記念になれば、と思った。
 鞄の中にペットボトルをこっそり隠しつつスーパーボックスに戻る。しばし英気を養い、7回ウラ始めのジェット風船に間に合うように出る。……………が。コンコース内にてジェット風船売り切れ!ショップ「ハリーズ」でも同様であった。スーパーボックス内の売店にはあったことを思い出し、慌てて買いに戻った。この間に、この試合唯一の得点となった小久保のホームランがあり、惜しくも見のがしてしまうこととなった。
 ライト側。シャレなってないよコレ。通路の全てが人で塞がれているような状態であった。「こんな時に火災でも起こったらとんでもないことになるな…」と不謹慎なことを考える。仕方ないのでジェット風船はコンコースと外野席を結ぶ通路の部分であげることとなった。…しかし、ここでは全くグラウンドの視界ゼロである。スコアボードだけの野球観戦となる(笑)。
 レフト側の方が多少はマシだろうと考え、行っててみた。…なんとか左右方向の通路上のグラウンドが見える位置を確保。しかしレフト側だというのにすごい応援だ。オリックスファンは、一角に肩身が狭い思いで存在するだけで、ドーム内はほとんど総ホークスファンといった趣である。
 試合は小久保の1点だけの1-0で推移していく。お互いに素晴らしい投手戦である。9回表、勝利の方程式、ペドラザ。たちまち1アウト。球場内は沸き立ち、「あと2人、あと2人」の大合唱。あっというまにフライで2アウト。そして──、4番アリアス。ショートゴロ、鳥越が取って…!アウト!試合終了!!福岡ダイエーホークスの優勝がこれで決定したのです!!…胴揚げ、ペナント授与式、勝利のパレード…去年のように「涙」ではなく「笑顔」であったのが印象的でした。
著 者 紹 介D.Na - でぃ・えぬえい
福岡生まれの福岡育ち。だが最近まで「ちんろまい」という言葉を知らなかった…。
「ダイエー優勝によって日本の景気は回復する」ということを信じている。
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