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昭和バスの終点へ - その3◆その1 ◆その2 ◆その3 ◆その4
 2006年11月に廃止になる福岡地区の昭和バスの路線に乗った記録。
 前回前々回と巡ってきて、今回は西の浦線に乗ることにする。
 都市高経由で郊外を結ぶ路線の実態はいかに…。


西の浦線 (博多駅-天神-都市高速-今宿-西の浦 乗車時間1時間13分)
 その1のときと同じく、博多駅交通センター3階の32番のりば。今回はここから西の浦線に乗ることにする。
 この路線は、博多駅、天神から都市高速経由して今宿に至り、そこから博多湾沿いに走って西区西浦へ至る路線である。この路線は11月以降は今宿までの区間が廃止され、九大学研都市駅始発の路線となる。
 この路線と、その1でレポートした下山門線の廃止をもって、福岡都心に乗り入れる昭和バスの一般路線はほぼ全て無くなる(休日2往復のみ運行される直通のマリノアシティ線は存続)。昭和バスの存在が完全に「ヨソのもの」になろうとしているのだ。

再び博多駅交通センター32番のりば。この路線図も見納め。
 バスセンターで待っていると、脚立を持った人が扉の上に掲げられた路線図を巻尺で計りはじめた。どうやら路線図を作り替える準備をしているようである。廃止がもうそこまで来ているのだな、と感じる。
 さて、今回やって来たバスは西工製の中型ロング。乗客は…私一人。定刻通り14時48分発。この時間帯の大博通りは空いていて、すれ違う西鉄バスの乗客もまばらだ。祇園町呉服町と乗客は無くそのまま西へ曲がって昭和通りを進むも、博多五町で一人の乗車があったのみ。そのためか天神四丁目で時間調整の停車。
 次の天神ではかなりの乗客があり、座席があらかた埋まる。…アレ?この時間帯にこれだけの乗客があるなら廃止しなくてもいいのでは、と思う。ここでも時間調整をして定刻15時2分発。


臨港線跡沿いの道。魚市場のそばと言うことで、鮮魚トラックが多い。
 さて、ここから都市高速の天神北入口に向かう訳だが、このルートが非常に変わっている。昭和バスの天神バス停は渡辺通を過ぎた昭和通り上にあるため、引き返さなければならないのだ。そのルートというのが、昭和通りを法務局交差点まで進み、そこで右に曲がって大正通りを北上し、長浜通りよりさらに北の中央卸売市場前の交差点で右に曲がって臨港線跡に沿って東に進んで、KBC九州朝日放送の裏の須崎浜西交差点で左に曲がってやっとこさ都市高入口へ…という、文章だけじゃ地元民すら判らないであろうルートなのだ。

 都市高速の入口にて前方にバスが…九大伊都キャンパス行きの西鉄バスだ。む、これは…勝負だ!西鉄バスはスタートでETCという技を使うも、昭和バスだって負けずに追い掛ける。都市高速の終点の福重ランプを降りても直後を走る構図は変わらない。…と、西鉄バスが宮の前団地バス停で停車、ここでやっと追い抜く。…追い抜いたからってナニも無いのではあるが

都市高速にて。シーホークと福岡タワー。
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伊都キャンパス行きの西鉄バス。福重ランプにて。
 都市高を降りて最初のバス停、生の松原団地南にて1,2人の下車。広石今宿東町と西九州道の下を進んでゆく。

下青木バス停。ちなみに西の浦線廃止後、ここに伊都キャンパス行きの西鉄バスが停車することになるらしい。
次の下青木バス停のポールは変わっていて、「昭和西鉄のりば」と書いてある。かつて周船寺急行を共同運行していた時の名残で、現在ここに停まる西鉄バスは存在しない。西鉄バスのポールの形で昭和バスと共用しているポールはよく見られたが、昭和バスのフォーマットで西鉄と共用というのはここ位では無いだろうか。
 ここで右折して今宿方面へ、右折待ちの間に先ほど追い抜いた九大伊都キャンパス行きのバスが直進していった。ここから今宿までの区間は前回、前々回乗ったバスも通ったルートだ。4分遅れで今宿バス停。数人が降り、数人が乗車、といったところ。この辺を見る限りでは都心直通のルートを廃止する必要は無いのでは…。博多駅始発はバスセンター乗入れの費用がかかるとしても、天神発着なら需要は十分見込めそうなのだが。

今津湾を左に見て。

 ここから先は11月以降も存続される区間となる。今津橋バス停の先で同名の橋を渡ると、今津湾を左に見て走る。Y字路で左の狭い道の方を選んで進むと今津。次の福祉村施設バス停との間に道が1車線に狭くなっている部分があり、心なしか足早に過ぎる。長浜の次の大原海水浴場あたりから松原の中を走る。大原大原橋大原西と「大原」を冠したバス停が続く。例によって読みは「おおばる」だが楕円(オーバル)とはあまり関係なさそうだ。

海沿いの道を走る。
 このあたりから右側に海が見えてくる。こういう海沿いの道を走る路線は大好きだ。脳内BGMは山本コータローの「岬めぐり」である。♪みっさきーめーぐりのーバスはーはーしるー…判らん人多そうだが。
 この路線には何度か乗っているのだが、気になる建物がある。中間バス停前にあるナゾの銀色の楕円形の建物。UFOじゃねぇかと思わせる位の周りから浮いた雰囲気である。この建物、どうやら医院のようなのだが…。
 宮の浦で多めの下車。ここから道は海岸を離れ、山越えの道となる。峠を越えて下ってゆくと終点西の浦。2分遅れの16時1分着。ここまで乗り通した人も結構居た。

(↑)今回乗ったバス。日産ディーゼルの中型ロング。リア窓下に行先幕の跡があるのが特徴的で、元西鉄か?と思ったら側面の表示幕の位置は前乗り仕様、なんだこりゃ。…調べてみるとどうやら元デモカーらしい。わざわざこんな珍車を買うあたりが昭和バスらしいトコロ。ちなみにもう1台同じ境遇のが居て、そいつは窓周りがブラックアウトされている、「SHOWA」のロゴの位置が違う等、微妙に塗色が違っている。
(→)既に停まってたバスと並ぶ。…お、右のバスは前々回、帰りの姪の浜行きで乗ったクルマだ。



海はいいねぇ…。
 ここまで来たついでに、ちょっと歩いて二見ヶ浦へ行ってみる。この場所は好きで、これまでも何度か訪れている。砂浜の中ほどの海上にそびえる夫婦岩が印象的なのだ。
 二見ヶ浦の道路上には以前から気になるものがあって、歩道にバス乗り場のような切り欠きがあるのだ。かつてここにバス路線があったのだろうか…。

これがその切り欠き。どちらの車線にもあるあたりがバス停っぽいのいだが…。ここにバス路線があると助かるのだが…(主に私が)。
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帰りのバス。前回冒頭で見掛けた奴…と思ったが、前面のSHOWAロゴの大きさと位置が違うので別の子だと判る。
 さて、西の浦バス停に戻って帰りのバスに乗る。

行きがけに撮れなかったポイントを撮影。謎のUFO的建造物(左)と、狭隘路(右)。
 昭和バスの都心方面の路線はいつもアグレッシブだ。都心では下車しか出来ない為、運行時刻を気にせずにとにかく突っ走る。今回のバスも、何台もの西鉄バスを抜き去ってゆく。ええと…この区間の制限速度は…アレ?パトカーが居ようとお構いなく加速し続けていた


ギャアアアアアアァァァァァァ

(頭文字D風の書き文字を脳内補完してお楽しみ下さい)

いや、湾岸MIDNIGHTの方が適切か…(謎)。

 博多方面のバスは不思議なルートは辿らず、素直に南下して天神日銀前へ。私はここで降りることにする。相変わらず西鉄バスで溢れかえる昭和通りを走り去っていった。
昭和バスの終点へ その3 終 
その4へ続きます〜。
著 者 紹 介D.Na - でぃ・えぬえい
当サイト「九州電波通」の管理人。
実は今回の西の浦線には何度か乗る機会があるので、今回の廃止は割とショック。
11月以降は不便になります…。
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