時事雑感 - 2011年8月

■8月14日(日)

●「水戸岡鋭治の大鉄道時代展」に行って参りました。

 先日よりJR博多シティのJR九州ホールにて開催されております「水戸岡鋭治の大鉄道時代展」に行って参りました。
 入り口のJR九州のプラレールの展示を過ぎメイン会場へ入ると水戸岡鋭治氏の世界。会場の展示は大きく3つに分かれていました。

 一つ目は、JR九州以外のデザインワークスのパネル展示。大きな面積は取られていませんが、なかなか興味深い仕事がたくさん。

 二つ目はメインといえる展示、JR九州に関する仕事。アクアエクスプレスとレッドライナーからはじまって、最近の九州新幹線に関するものまで、あらゆるものが展示されております。車輌の座席、室内の調度品、車輌を構成する金属・木材などの素材。座席や床を構成する布地を集めてある場所では「ああ、この模様は見たことがある。これは見たことないけど面白いデザインだな」などと楽しんでおりました。
 個人的には787系つばめのビュッフェのカウンターや、883系ソニックのリニューアル前のデザインの素材の展示があったのが嬉しかったです。
 それから、まだ製作されてない「クルージングトレイン」のコンセプト展示も。陸上の豪華客船といった趣で、コースプランのパネルもありました。…この車輌が実現したとして、実際に乗れるのか…。

 三つ目の展示は、ポスター類の展示。水戸岡氏の仕事の乗り物を最初にアピールしたのは、いつもあの鮮やかなイラストでした。あのポスターをみて、心躍らせた九州人は多いのではないでしょうか。
 それから、和歌山電鐵の「たま」、阿蘇の「くろ」のイラスト類の可愛らしい展示も。
 そして、一番奥にあったのは普段公開されていないという、博多駅南側を望める展望スペース。貴重な景色です。

 それから、各展示スペースに入る前の部分にも、面白いものがたくさん。各車輌の図面類、ポートフォリオ。こんなものをよく公開したなぁと思います。

 …以前も書きましたが私は、水戸岡鋭治氏の仕事を見てデザインの世界に入ったようなものです。鹿児島本線に「つばめ」が走り出したころ、鉄道にあまり興味を持っていなかった母が「凄くかっこいい電車が走っていた」といって興味を持つようになったのを見て、デザインの力を知りました。JR九州と水戸岡氏の仕事がなかったら、今の私はなかったでしょう。
 そして、みなさんにもこの展示をみて、デザインの世界を見て欲しいなと思うのです。なにも難しいことじゃない。世の中にはデザインが溢れている。この展示は水戸岡鋭治氏の展示だけど、これを通じて他のデザインのことにも興味を持ってほしいと思います。

 展示は今月24日まで。入場料は通常大人1000円だけど、JRのきっぷとかSUGOCAとか持ってたら200円割引になるそうですのでお持ちの方はお忘れなく〜。あと、駅3階改札口にもサテライト展示(右写真)がありますのでお忘れ無く!

■8月8日(月)

●デザイン書の紹介でございます。

 今回はちょっとばかりデザイン関係の本を紹介してみたいと思います。…といってもウチなのでわりとくだけた感じの本ですが。

 誠文堂新光社より発売された「漫画・アニメ・ライトノベルのデザイン漫画・アニメ・ライトノベルのデザインAmazon.co.jpアソシエイトによるリンク。」という本。タイトル通り、主に漫画単行本の装丁を中心に1980年代後半から最近まで、デザイナー別に集めています。こういう切り口でデザインを集めた本はこれまで無かったので貴重です。
 作品のイメージと合致していて、書店で他の本から際立っていて、「読みたい」という期待感を感じさせ、手にしたあとも書棚に置いていたいと思わせる。そういうデザインをするのは結構たいへんです。それを考えながら見ていると、やっぱり凄いなぁ、と思うのです。
 そしてこの本のいいところは、様々なジャンルの作品の装丁を分け隔てなく収録していること。若干青年誌連載作品が多めの印象はありますが、少年漫画、少女漫画、BLや成年向け作品まで掲載されております。特に成年向け作品が掲載されているのは偉い。デザイナー側と編集側の双方が廃除しようとせず、ちゃんと日本の漫画の歴史のひとつとして扱っているのだと思います。特に5GASの宮村和生さんのデザインを集めた部分は凄い。あの「COMIC LO」(茜新社)の表紙を4ページに渡って掲載し、他2ページでも成人向け作品の表紙を堂々と載せている。流石です。
 そして、デザイン書としてはわりあい安いのもポイント。税込2940円でほぼフルカラーというのはかなり頑張ってます。
 ひとつ残念とすれば、この本の元になった「アイデア」誌の特集ではよつばスタジオの里見英樹さんが大きく取り上げられていたのですが、この本には全く収録されていないこと。里見さんのデザインは最近の漫画デザインの動向に大きな影響を与えていると思うので、しっかり入れて欲しかったなぁと。

 まぁでも総合的にはとてもいい本です。デザインに興味のある方はもちろん、自分の同人誌のデザインをなんとかしたいなという人も参考に出来るかもしれません。ぜひぜひどうぞー。

大H州東方祭4in博多に一般参加して参りました。

 いつも通りに、知り合いの方にへたれコピ本を押し付けておりました…。

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