■8月23日(木) |
●調べモノで古本屋巡りをしていると…。 先日、ちょっと調べたいことがあって、古い地図資料を探そうと近所の古本屋巡りをして参りました。 結果的には空振りだったのですが、なんだか面白そうなものを見つけてきたので紹介してみます。 |
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まずは「志免炭鉱問題の焦点」と題された小冊子。発行したのは日本国有鉄道(国鉄)で、表紙にあるように昭和34(1959)年に刊行されたようです。 この冊子における「志免炭鉱問題」というのは、どうやら国鉄運営の志免炭鉱を民間に譲渡することについての問題、のようです。当時、譲渡に反対する労組によってデモや吊るし上げなどが行われていたことが書かれています。 現役当時の竪坑櫓の写真も載っていて、なかなか興味深い資料です。ホントはそのページをスキャンして見たいのですが、留め金の部分が腐食してどんどん崩壊していく有り様ですので諦めました。 この冊子の不可解なことは「誰からどこ宛に書かれたのか判らない」こと。著者の個人名などは一切無いし、国鉄が発行しているはずなのに国鉄宛とも受け取れる文章がある。周辺住民説明用にしてもヘンなのですよ…。 |
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さてもう一つは「太宰府定期観光バス」の案内冊子。西鉄こと西日本鉄道が昭和35(1960)年頃発行していたもののようです。 |
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表紙を開くといきなり福岡市内観光バスのコース図見開きが載っていて面喰らいます。もちろん路面電車は健在、博多駅は旧駅。料金は大人150円。 |
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見開きの裏側にはちゃんと太宰府のコース図が載っています。料金は大人250円。図で目を引くのは、板付飛行場(福岡空港)への引込線がわざわざ描かれていること。まるで空港連絡鉄道のようです…ってか線路が残ってたらホントに連絡鉄道として役立ってただろうになぁ、勿体無い。 |
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太宰府の観光案内は飛ばして(ォィ)、福岡空港の紹介ページを。 「1903年ライト兄弟が初飛行に成功してから50年、その技術と実用化の進歩は、最近のジェット戦斗機では時速二千数百粁のものさえ現れ、驚異的な進歩を遂げている。」の文章はなかなか素晴らしいです。きっと観光バスで見物することは出来ても、乗れる人はあまり居なかったんでしょうなぁ。 文章でやたらジェット機のことを言ってるのに載ってる写真がプロペラ機だけなのは御愛嬌。 |
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裏表紙は岩田屋の広告。 「太宰府より福岡まで急行電車にて約20分」という文は説明を要するでしょう。これは列車種別の「急行」ではありません。かつての福岡においては、現代における「路面電車」を単に「電車」と呼び(これは他都市でもよくあった)、その「電車」より早いスピードで走る西鉄大牟田線のことを「急行電車」と呼んでいたのです。
…さて、いかがだったでしょうか。こういう古いものを見るのもなかなか楽しいのですよ〜。 |