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九州気まぐれ写真紀行 - 第9回
 ─こんなに賑やかで、明るい雰囲気の終電もめったに無いだろう─
 博多行き上りの最終列車に乗りながらそんなことを考えていた。
 終点博多駅に着き、乗客がどっと降りる。
 時刻は0時46分。日付は…7月15日、追い山の日。

 博多駅に降り、まずは博多口の飾り山解体現場へ。もう既に祭は終結に向かって走り始めてるんだなぁ、なんて思いつつネットカフェでまったり時間潰し。…むー、Opera入って無いとブラウジングし辛いなぁ。

 3時を過ぎ、ネットカフェを出、段ボールハウスの並ぶ博多駅コンコースを抜け、もうすっかりぬけがらになった駅前の飾り山の横を通り、人の気配のほとんど無い博多駅前通をキャナルシティ方面へ。櫛田神社に行ってみよう。

 櫛田神社の境内には、締め込み姿の男達が追い山前の参拝の為に詰め掛けていました。
 私も参拝しようと思ったのですが、行列が長かったので断念。櫛田神社を離れて見物場所まで行くことに。裏路地を抜けて、目指すは大博通り、東長寺の前。

 東長寺の前は観客がたくさん。その中にテレビ局のカメラマンさんや照明さんも。
 待っているうちに、4時59分。櫛田神社では一番山がスタートしているはず。清道を回って、祝いめでたもそこそこに、国体道路を一直線、そして祇園町交差点に…来た!

 東長寺清道のヘアピンカーブを通過!の写真なのですが…ご覧の通り、ぶれの嵐。被写体ぶれだけなら良いのですが、手ぶれも加わって何が何やら。これはコレで面白い写真ではありますが…。
 なんで三脚を使わないのかというと、持ち運ぶのが面倒だし邪魔臭いので…。

 走る!山が走る、舁き手も走る、カメラマンも走る、チャンバも走る!(で、チャンバって何よ)
 そんなわけで私もちょっくら見物場所を変えてみる事にしました。ビルの谷間を抜けて旧東町通りの方へ小走りで行くと、聴こえてくるのはオイサ、オイサの掛け声。
 
 大博通りと違って、ここは昔からの町並みが残る狭い通り。狭いけれどもコースは直線なので、舁き山の速度は上がります。
 間近で感じて欲しい、この音、振動。

 東の空が紅くなってきました。




 再び大博通りの東長寺清道へ。六番山笠中洲流が曲がっていく所を連写してみました。報道の照明が眩しく光る中、左上の写真から一番下の写真まで十数秒。





(写真の順序は左上、右、左下)
 もう一つ、連続写真。
 今年の撮影で一番お気に入りの写真。被写体ぶれで山は不鮮明だけれども、スピード感が表現出来ました。ブレの何が悪いと言うのだ(ォィ)。

 時刻は6時少し前、空はすっかり朝の様相。…大トリを務めるべく「アレ」がやって…来た!
 ついに来た!八番山笠「上川端通」!呉服町交差点にて変形した後、東長寺清道をひとまわり。
 毎年この山の撮影には苦労します。ダメダメな写真の中から選んだ写真がこの1枚…空の階調が飛んじゃってる…。

 八番山が過ぎると、街は急速に日常へ戻って行きます。朝一番のバスが走り、消灯していた信号も再び点灯され、通勤の車が走り出します。
 櫛田神社では「鎮めの能」が行われ、山小屋へ戻った追い山は解体されます。

 最後に櫛田神社に参拝して、バスに乗って博多駅へ。
 …気がつくと、やかましいほどの蝉の声。
 今年も、博多の街に夏がやってきたのです。
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