九州電波通 - 時事雑感

時事雑感 - 2001年1月10日 - 8年間の保存と劣化

　今世紀初の時事雑感です。今回は私の個人的な話題「成人の日」での出来事を書いて見たいと思います。

　私は去年の10月にて20歳となり、つまりは新成人であり、式典に行ってきたわけですけれど…いや～懐かしい面々と出会ってきました。
　ちなみに最近新成人の態度の悪さがマスメディア等で指摘されていますが、うちの市は比較的マトモなほう…だったんでしょうか？というか、会場が狭すぎて着席出来ない人が多くて立ってた人達は…不可抗力ですしなぁ…。
　ちなみに私は市長の挨拶を真面目に聴いてました。なんとなく「毎年同じ言葉じゃ無いのだろうか」と感じました。何故なら、取りあえずは定番で触れるはずの「21世紀最初の～」という言葉が全く出なかったり、「次の時代に向けて～」なんて言う言葉が入ってたり(次の時代って、22世紀のことを指してるんでしょうか)しましたから。

　…で、今回はそのことがメインの話題では無くて…。
　式典後小学校の時の友人から、8年前の小学校の卒業式後に埋めた「タイムカプセル」を掘り返しに行こう、という話になりました。
　バスに乗って埋めた当事者の私とSくんとKくん+αの5人で小学校へ。校舎等はほとんど変わっていませんでした、というか私は引っ越しなどして無いので良く見かけてましたけどね(笑)。取りあえず無断で学校敷地内を掘り返してたら思いっきり不審者なので、用務員の人に許可を戴きます。「了承」…じゃなかった、許可もらえました。
　校内のシャベルも自由に使って良いとのこと。ということで道具置き場のあった場所に行ってみると…なんかカギの付いたイナバ物置ちっくな物がぁ！私らの時はこんなものありませんでしたよ。やっぱり管理を徹底しとか無いと、鎌などを凶器に使って犯罪が発生する可能性があるからでしょうか…。
　どうにかこうにかシャベルを見つけ、スーツ姿で掘りはじめる人々(笑)。埋めた場所は体育館の横の卒業記念植樹の所です。…実はこれまでに体育館の改装工事があったので「出なくて元々」の心境で掘りはじめました。…だいぶ掘ったのにまだ出てきません。焦ったSくん、別の疑惑地点を掘りはじめます。…とその時、Kくんが掘り返してた場所のちょっと横をへろっと掘ってみると「あ、なんかある」。なんでこんな浅いところにあるんじゃー！…当時の記憶では、クワなどを使って相当深く掘り返してましたよ？…やはり「深く」のレベルが小学生だったんでしょうでしょうね…。

　カプセル本体(缶)に、相当厳重なビニル包装がしてあります。5重6重と…。これは私がしたものです。こういう妙にこだわるところは昔から変わって無いんですな。そして…開けてみると…。やっぱし湿ってます。まぁしょうが無いですな。最初に出てきたもの…黒のゴミ袋。「おおっ缶の中にさらに袋で保存…！」…いや？何も入って無い…。なんだこれは？あ、袋の端に何か文字が。

「科学クラブ H5.3.12 飛」

　Kくん、あぁっ！と声をあげます。そう彼は部長さんでした。私も部員。これは…そう、「熱気球を飛ばす」という計画でやってたのですけどちっとも飛ばず(今考えれば当然です。家庭用ゴミ袋の下にアルコールランプなんていう重たいものをつけたりしてましたから)、卒業式直前の日に数十センチの高さではありますが曲がりなりにも飛んだ、というものです。でもその時は相当嬉しかったですね…。
　次に出てきたものは…何これ？なんか細長くて銀紙が…あぁっ！今度は私が驚く番でした。この母校の名を冠した祭りで、使った「恐竜」…その名も、

「イガグリ号」!!!

　…の角。うわ～、懐かしいなぁ～。これって家に置いてたら物置の奥で眠ったままになるものですよ…！
　そして紙切れが…べとべとに湿ってるから慎重に取り出して…あ、手紙ですね。破れるといかんので乾かします。Sくん、「俺の埋めたの無いと？」…しかし中身は空。本当に何も埋めなかったのでしょうか…。とその時この手紙が2枚であることに気付きました。お互いが引っ付いてて、下手に剥がすと破れそう。裏側から透かして読んでみよう…あぁ、これは目録ですな。そこの一行…「おれた、ちの…？なにこれ？」その時Sくん笑いながら猛ダッシュ！…あ！これは…！

「おれたちの二酸化炭そ」!!!

　「素」がひらがななのが小学生っぽいですね。…カプセルに封をする時、入れるものが無かったSくんは自分達の息を吹き入れた…のです(笑)。さすがは科学クラブ(違)。
　さて、ここで手紙でも紹介しましょう。なんか古文書みたいになってて、下手に動かすと崩れるのでビニル中から…反射光で見づらいですがすみません。

一、熱気球（ゴミ袋です）
一、もくろく（これのコト）
一、おー円？五？
一、おれたちの二酸化炭そ
一、手紙

(この後3行ほど鉛筆で書いてあるが見えなくなっている)
（さらにペンで何か書いてあるが破れている）

きみへ
西れき二千年、
きみはこれをみている
だろう。
一九九三年、三月十七日、
ぼくたちはタイム
カプセルをうめた。
その中のものも、
今、見ているだろう。

　そう…ホントは2000年に掘り出すつもりだったんですよね…。

　さて掘った後に残った穴…そこには今、新たなタイムカプセルが埋まっています。10年後に出会えることになると…いいですね。

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